静電気・静電気災害の防止策
点火源になり得る静電気について勉強します。資格試験では、静電気の発生や災害防止策についての知識を問われる問題が出題されます。しっかり理解しておきましょう。
静電気とは
摩擦により、一方にマイナス、もう一方にプラスの電気を帯びお互いに引き合うようになります。このように、物質が電気を帯びることを帯電といい、物質に帯電した電気のことを静電気と言います。
冬場にドアノブを触ろうとしたときにバチッと電気を放電します。このバチッとなる静電気が引火性液体の点火源となって爆発や火災を起こすことがあるのです。
摩擦以外で帯電する現象
- 接触帯電
2つの物質を接触させてから分離する際に帯電する現象のこと - 流動帯電
液体が管内を流れる際に帯電する現象のこと - 噴射帯電
液体がノズルなどから高速で噴出する際に帯電する現象のこと
資格試験では、2の流動帯電の問題がよく出題されます。可燃性液体を配管やホースなどの管内を流れるときには、静電気が発生しやすくなるため気を付けなくてはなりません。
静電気の発生しやすい条件
静電気は、物質の摩擦によって発生します。ただ。金属や湿った物質を摩擦しても、静電気は発生しません。なぜなら、金属や湿った物質は電気を流しやすく帯電しないからです。
- 電気を通しやすい物質(良導体)は静電気が発生しにくい
- 電気を通しにくい物質(不良導体)は静電気が発生しやすい
ただ、電気を通しやすい物質でも、絶縁状態の場合は、静電気の逃げ道がなくなるため帯電してしまいます。
液体がパイプなどの管内を流れる場合には、静電気が発生しやすくなっています。静電気の発生量は液体の流速に比例します。
静電気災害の防止策
静電気火災の防止策については、静電気の発生を抑えたり、静電気の蓄積をしないようにすることが大切です。
第4類危険物は不良導体であるため、静電気が蓄積されやすい性状があります。そのため静電気が点火源にならないように十分に注意しなければなりません。
災害防止策と出題傾向
- 摩擦を少なくする
物体同士の摩擦により静電気が発生します。そのため、接触面積を減らすような対策を取る必要があります。
問題「静電気の帯電を減らすには、接触面積を減らす」(〇) - 電気を通しやすい材料や素材を使う
配管パイプやホース、容器などに電気を通しやすい材料を使うようにすることが大切です。
問題「ガソリン容器は不良導体の材料を使った物を使用する」(×) - 流速を遅くする
液体がゆっくり流れるように配管やホースの内径を大きくしたり、配管の途中に停滞区間を設けたりすることが大切です。
問題「液体が配管を流れるときは流速が早いほど静電気が発生しにくい」(×) - 湿度を高くする
湿度が高いと空気中の水分が多くなります。そのため、静電気が蓄積されにくくなります。
問題「湿度を高く保つことは静電気災害の防止策になる」(〇) - 接地(アース)をする
アースにより帯電した静電気が逃げるので静電気の蓄積を防ぐことができます。 - 木綿の衣服を着用する
- 室内の空気をイオン化する
静電気問題の出題傾向は、静電気が点火源になりうるかどうかです。静電気は可燃性液体にとってとても注意しなければ、大きな災害につながるものです。
とても重要な項目ですので、しっかりと理解しておかなければなりません。